新年の目標
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
新年に誓いや目標を立てる方は多いと思います。
今年こそ禁煙しようと思っている方も多いことでしょう。
しかし、今年こそはと一念発起してチャレンジするも、1週間もすると仕事も始まり、忙しくしているうちに吸ってしまい、いつの間にかうやむやになったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
行動変容で有名なプロチャスカらの研究では、新年に行動を変えようとすることについてこう述べています。
『米国人の成人の約半数は毎年、新年の初めに自発的な行動変容を開始します。新年は、伝統的、 社会的に行動変容することを強化するような期間です。私たちの調査では、新年の誓いを立てた人のうち、77%の人が1週間しか成功せず、1ヵ月後には成功率が55%に落ち、6ヵ月後に40%、2年後に19%に下がることがわかりました。』1)
なかなか厳しいですね。
それでは、新年の禁煙の目標を成功させるのはどうしたら良いのでしょうか?
新年の目標成功のための10の秘訣
新年の目標について、心理学者であるリチャード・ワイズマン教授が調査したところ、禁煙やダイエット、資格の取得等を新年の目標をする人が多かったそうです。禁煙を新年の目標にする方は多いようですね。
その調査では、8割近くの人は目標を達成することができず、挫折した経験があるという結果になりました。
調査結果から、目標達成した人と、しなかった人を比較して、教授は、成功のための10の秘訣を示しました。2) 3)
1. 目標は1つだけにする。
2. 数日じっくり考える。
3. 以前立てた目標は避ける。
4. ごく普通の目標にする。
5. 細かくポイントを設定し、1つずつクリアしていく。
6. 自分にプレッシャーをかけ、サポートを得るために友人や家族に目標を話す。
7. 定期的に「達成するとどう好ましくなるのか」を書き出し、利点を考えるようにする。
8. モチベーションと進歩の感覚を守るため、1つのステップをクリアしたら自分にご褒美を与える。
9. 達成までの計画やプロセスを記録し、グラフや絵を使って分かりやすく示す。
10. 心が折れそうなときは諦めるのではなく、一時的に前の習慣に戻ったと解釈する。
禁煙の場合
5, 8 →「スモールステップ法」で頑張らずに少しずつやめる – 第4章 習慣依存からはこうすれば抜け出せる!
6→「禁煙宣言する決断」をする – 第4章 「習慣依存」からはこうすれば抜け出せる!
10→ タバコをやめても、禁煙に失敗しても、失うものは何もない – 第5章 「心の依存」からはこうすれば抜け出せる!
禁煙外来などで十分な準備をした上で、チャレンジを開始するのに新年はよいきっかけとなります。
コミットメントと一貫性の法則からいうと、新年に宣言をすることが、禁煙の良い推進力となることもあります。
しかし、十分な準備をせずに、ニコチン依存症に立ち向かうと、ニコチン依存症3兄弟(体の依存、心の依存、習慣依存)に阻まれて、あえなく退散となってしまします。
失敗することで、自己効力感(できるという自信)が低下してしまいますので、次のチャレンジに悪影響を及ぼすことがあります。
恐がることはないのですが、何も準備をせずに立ち向かうにはやっかいな相手なのです。
やはり、十分な準備をして、闘うのが良いといえます。
まずは、禁煙するためにしっかり準備をおこない、ニコチン依存症について事前に学び、禁煙理由をまず自分の中でしっかり考え、禁煙開始日を設定してから行うのが良いでしょう。禁煙外来を利用して行うのも間違いないやり方です。
なお、禁煙チャレンジをすでに開始している人は、”新年会には注意‘’ です。お酒を飲むとつい吸ってしまいます。参加しないか、お酒は控えて下さい。
皆さんが禁煙できることを禁煙センセイは応援いたします!
<参考>
1) ジェイムス・オープロチャスカ, カルロ・シーディクレメンテ, ジョン・シーノークロス, Prochaska JO, Diclemente CC, Norcross JC. チェンジング・フォー・グッド―ステージ変容理論で上手に行動を変える. 東京: 法研; 2005.
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