「禁煙するには、吸いたい気持ちを我慢することが大事だ」このように思っている人は多いのではないでしょうか?
でもそのような我慢の禁煙でうまくいく人はほとんどいないのです。
それでは、どのような禁煙方法が良いのでしょうか?この記事では、我慢の禁煙でない方法を提案したいと思います。
この記事の目次
意志が弱いから?
「意志が弱いからタバコが止められない」このように思っている人は多いのではないでしょうか?
たしかにタバコを止めるには、最初に止めようとする意思は必要です。
しかし、禁煙を持続するにあたっては、我慢することに意思の力を使うのはうまくいかないのです。
意思が壊される病気-依存症
なぜなら、そもそも依存症とは「意志が壊される病気」だからです。
ニコチン依存症に限らず、依存症全般に言えるのですが、意志が強かった人でも、依存症が進行すると意思が弱くなってしまうのです。つまり、我慢ができにくくなってしまうのです。
脳科学の最新の研究結果から、依存症になると前頭前野の活動が低下するということが分かっています。
前頭前野は、自己コントロール(自制心)を司る中枢です。そこの活動が低下するということは、意志の力(=自己コントロール力、自制心、我慢する力)も低下してしまうということなのです。
たとえば、野球の清原和博元選手を考えてみましょう。清原さんは天才の集団であるプロ野球選手の中でも抜群の実力を持っていました。当然、能力もあったでしょうが、努力もしていたはずです。並外れた意志の力も持っていたはずです。
そんな清原選手でさえも薬物依存症(覚醒剤)になったら、やめられなくなってしまったのです。意志が壊されてしまったため、やめられなくなったのです。
ここに依存症の怖さがあります。
覚醒剤依存症とニコチン依存症は違うと思われるかもしれません。しかし、程度の違いはあれ、脳内で起きていることは最終的には変わらないのです。
かつて、私の禁煙外来でこのようなことがありました。
ある日の外来に、恰幅の良い、いかにも仕立ての良さそうなスーツを着た紳士が来られました。いかにも成功して自信ありげな表情と態度でした。ただ、話していて、少し人の言うことを聞かないような、自信過剰的な物言いが気にかかりました。意志の力にも自信を持っているようでした。また、ガマンすればやめられるとも言っていました。
私は一抹の不安を覚えました。意志の力に頼りすぎるとうまくいかないことは、その当時も経験として知っていたからです。
案の定、二週間後の次の外来には来られませんでした。後で確認するとやはり吸ってしまったようです。一本吸ってしまい、やけになって何本も吸ったと言われていました。
以上のように、ニコチン依存症によって弱った意思の力を使うからうまくいかなかったのです。
賢く禁煙!
それでは、どうしたらよいのでしょうか?
私は意思の力を過信せず、賢く禁煙するのをお勧めします。
当てにならない我慢する力や意思の力に頼るのではなく、それらをできるだけ利用しない方法を使って、賢く禁煙するのが良いのです。
このブログでは、賢く、我慢せず、楽しくタバコを止める方法を書いていきたいと思います。
P.S. 現在、我慢せず、がんばらない禁煙の本を執筆中です。今しばらくお待ち下さい。
禁煙センセイはあなたの禁煙を応援します。